工房だより その2
〜 座面について 〜


今回はイスの座面に使っている板について・・・

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板の魅力は木目と木肌の色あいです。
特に色あいは作品の性格に大きな影響を与えると思います。
私は作品に着色はせずに天然の植物オイルのみで仕上げていますので、
作品のイスの色はすべて自然の色です。
板の色も木の種類によって違い、明るい色から茶色、
赤い色、黒い色など様々です。
また板の色も一色だけでなく、濃淡があり、
まだら模様であったりして興味は尽きません。
明るい色の板として、ヒノキ、ブナ、
カエデ、タモ、ヒバなどを使っています。
明るい色の板の木目には板目模様や柾目模様が
きれいに浮き出てきますので、木目の違いも大きな楽しみです。
明るい色の板は時間が経つにつれて、茶色身を増していきます。
茶色系の板としてケヤキ、チーク、カツラ、イチイなど、
赤色系の板としてはカリン、パドック、
パリサンダーなどを使っています。
2色模様の板として面白いのはエンジュやシャム柿などがあり、
エンジュの板はツートーンカラーがきれいで、良く使っています。
また千年以上も土に埋まっていたと言われる神代木も時々入手できます。
よく使う神代ケヤキは本来の色に緑色が加わり、
オイルで仕上げたときに更に深い色になります。
これらの板は銘木を扱っているDIYの店や専門の材木店で入手しています。
特に新木場にある銘木店にはよく行き、面白い木肌の板を探しています。
一枚の板から切り出した座面に
枝で作った脚や背もたれをつけて完成したあと、
仕上げのオイルを塗ったとき、つやつやとした座面が現れてきます。
これを見る瞬間は、とても新鮮な気分になり、いつも楽しみにしています。

次回は私が使っている工具についてお話します。お楽しみに。

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